ぬっこぬこ 7

ハルが病気でした。
正確に言うと、病気だということが分かりました。
順を追って報告します。
 
最近元気がないのでハルを動物病院に連れて行ったのはここでも書きましたが、原因がハッキリしました。
FIPという病気です。
ドライと呼ばれる症状と、ウェット呼ばれる症状に大別されるそうですが、ハルは後者でした。
おなかに水がたまり、胸にも水がたまり、最後は死にます。
 
エイズや猫白血病よりも非常に稀と言われる病気ですが、致死率が非常に高いようです。
生存確率は5%だとか。
効果的な治療法はなく、対症療法がメインになります。
今では民間療法レベルにもすがりつく有様で、治療、延命、いろんな思いが我々夫婦をよぎります。
 
先週、二度目の検診でMRI検査をし、おなかに水がたまっていることを発見。
白血球の上昇、温度上昇、食欲減退ときておなかに水はFIPで間違いないだろうとのことです。
お医者さんは言いにくそうに色んな説明をしてくれましたが、「死ぬ」「治らない」といったことや「死期」については積極的に口にしませんでした。
私からはっきり聞くと、最悪だと残り一ヶ月との言葉をいただきました。
そこまでの予想をしていなかった妻は涙が止まらなくなり、私は目の前がカーテンがかかったような気持ちに。
 
一応、精密な血液検査をして、結果待ちということで病院をあとにしましたが、診断のとおりとなりました。
原因はハッキリとしたことは分からないようです。
以前は多頭飼いの猫の病気と言われていたようですが、どうも違うようなのです。
一番有力なのは、一般的に猫の体内に保有されている、害の少ないウィルスが突然変異するというものです。
ストレスが原因となることもある、といわれて我々夫婦は自分を責めました。
あれが悪かったのだろうか、これが悪かったのだろうか、と。
 
過去を振り返っても仕方がないので、今はハルを少し隔離してトイレと食事も別々にして生活しています。
ムンにまで伝染させるわけにはいきませんので。
どうやら抵抗力のない子供の時期や年老いてから発症する例が多いようですし、なんとか大人になるまで乗り切ってほしいです。
 
ハルの元の飼い主さんにも妻が連絡しました。
妻はたくさん謝り、元の飼い主さんもたくさん謝ってしまったそうです。
二人でたくさん泣いた、と。
元の飼い主さんから色んな情報を得ました。
どうやら、ヘソの緒もついてるうちに親猫に捨てられていたのは、先天的に病気を持っているのを気付いていたからではないか、と。
生命力の弱い子供を間引く習性があるようなのです。
せっかくいただいた娘を早死にさせてしまうかもしれないのに、いっぱい気を遣ってもらいました。
すみません。
 
その後、元の飼い主さんにうかがった「ヤクルト治療法」を試しているのですが、どうもヤクルト自体をお気に召さない様子。
獣医さんのススメでステロイドを始めたらかなり元気になりましたが、効果は限定的と思われます。
どんどんやせていくハルを前に、ただただ無力さを痛感します。
 
一体どうすれば治療できるのか、完治できない場合はどれくらい一緒に居られるのか。
何も分かりませんが、目の前の一瞬一瞬をより大切に生きていくしかありません。
うちに来たばっかりのハル、一ヶ月半もすればお前が居る生活が当たり前になっていたよ。
二度とない事の連続の中で生きている事を知っていたはずなのに、お前が居ることのありがたさをちゃんと分かってなかったよ。
 
最近、家族全員でセミダブルのベッドで窮屈に寝ていますが、とても幸せです。
どうかもう少し、できればいつまでもこの幸せが続きますように。
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