ハンニバル・ライジング

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2007年/米英仏/117min.

監督:ピーター・ウェーバー
脚本:トマス・ハリス
製作:ディノ・デ・ラウレンティス マーサ・デ・ラウレンティス タラク・ベン・アマール
主演:ギャスパー・ウリエル

あらすじ
「人喰いハンニバル」こと、ハンニバル・レクターギャスパー・ウリエル)博士の幼少期より青年期を通じてその人格形成に至る過程を描く。
時は第二次世界大戦、所はドイツ。戦火拡大の余波を受けて疎開するレクター一家。しかし、その疎開先もまた、決して安全とは言えない環境であり、戦争の生む悲劇からレクター一家もまた逃れられないのであった。
その体験を悪夢として脳裏に焼きつけ成長した少年ハンニバル。人手に渡った生家を抜け出し、数少ない肉親である叔父を訪ねてフランスへと亡命を果たす。そこで待っていたのは日本人にして叔父の未亡人、マダム・ムララキ(コン・リー)。彼女もまた、夫に先立たれた孤独を胸に生きていた。
彼女の保護の下、成長して医学生となったハンニバルは「礼儀を知らぬ無粋者」を斬る事を皮切りに、のちの「人喰い」への人間性をあらわにしていく。

レビュー
さてはて、一応四作目となったシリーズ最新作。毎度の事ながら「怪物」にいろんな人が殺されちゃうわけだが。
今作は他の作品と大きく違って感じるのは「日本」がその大切な要素として盛り込まれている事だろう。日本人だからどうしてもそう感じちゃうわな。その時に毎度危惧するのは「より正しい日本が描かれているのかどうか?」である。ぶっちゃけ、曲解、誤解を生む表現の少なくなかった「映画の中の日本」。今回も上映前のレビュー等を見ても「ハンニバルのルーツは日本にあった?!」みたいな書かれ方をされてたのが事実。正直、観るまでは「おいおいおいおい、日本に触れたら殺人鬼になるかのような表現は勘弁してくれ~」と思ったものです。イメージダウンになっちまう、と。
実際に感想としては・・・、ギリギリ大丈夫、かな。この辺の表現ムツかしいけどねwでも、「ラスト・サムライ」以降の日本描写は格段に向上している。巨大なシダ植物生い茂るジャングルでの合戦は別としてwてか、刀の手入れをする白人って何か面白いねw俺そんなんできねぇよw包丁くらいしか研げないってwどちらにしてもこれほどハリウッドに取り上げられる国ってアジアじゃ日本くらいだよね。中国ですらこうはいかないもん。良し悪しか。
今までは、クラリス捜査官との心の交流を軸に、変態殺人犯とかと闘ったりしたんだけど、今回はマダム・ムラサキとのそれが軸かな。悪くなかったと思う。
どうしても「羊たちの沈黙」がセンセーショナルすぎた事もあって更にエスカレートする残虐な殺人描写を予想してしまうが、決して歯止めの効かないほどではなかった。その辺が逆に「SAW」シリーズなんかにお株を奪われた感じだろう。
こうなったらハンニバルに乗るかどうか、だねw

採点
☆☆☆★★

今回は一応及第点。観といて損はないです。
ビジネスとしては厳しかったと言われる今作だが、ハンニバルの最期を描くであろう次回作のためにはいいフリになったかなぁとも思ってます。
思い出した事があったらまた書くよん。

追記14:41
そうそう、マダム・ムラサキ役のコン・リーが良かった。特に表情が日本人チックで、支那人にありがちなオーバーな表現等が無く、どこか物憂げな感じが素晴らしかった。上品!