裁判をしました ⑥

成年後見人に立候補するところから始まります。必要な書類をそろえ、裁判所に行き、簡単ながら面談も行い、自らが必ずしも成年後見人になれるとは限らないという可能性がある事も聞かされました。また、制度上は途中での解約等はかなわず、一度始めたら成年被後見人が死ぬまで続く、と。

仕方ありません。

血縁関係者、この場合は唯一の兄弟である弟にも承諾を得る必要があり、直接話しました。もう一切合切全てを私一人で対応する、と。お金のトラブル等については具体的には伝えませんでした。知らなくて良いことです。

腹を括って申請。意外とすんなり受理され、成年被後見人に選ばれました。ただし、訴訟を前提にしている事も伝えていたからか、成年後見監督人が付く事に。こちらにも挨拶がてら面談に行かせていただきました。基本的には年に一度の提出物や、四半期に一度の中間報告といった簡単な内容でしたが、訴訟の話になるとなんとも雲行きが怪しくなりました。そもそも訴訟が成立するのか、何よりも勝訴したところでお金を取り返せるか、といった現実的な見通しは決して明るくなかったです。また、実際に訴訟を依頼する先生にも共通したのは刑事事件化の難しさです。なんと、ボケ老人をだまくらかして1千万以上のお金をせしめても、捕まらないかもしれないそうです。なんなら受理すらされないかも、と。昨今の警察や経験者が多忙さをアピールする事が多いように思いますが、こんな被害に遭ってる人間よりも優先せねばならない事とは一体何なのか?

大きく失望しましたし、これを書いている今現在も刑事告発をしていません。

とかく初めてのことだらけながら、私も所帯の小さい企業で経理総務をやってきた経験が活きます。報告活動はまさに個人の決算。必要な資料を作成したり取り寄せたりは、どれもこれも仕事で似たようなことを経験しています。こればっかりは自らのキャリアに感謝です。

いよいよ自分の立場が「長男」から「成年後見人を務める長男」になり、再び弁護士の先生に相談に。立場が変わって、改めて細かく相談。民事訴訟として進めさせていただくよう、お願いしました。ここであらかじめ念を押されたのは「お金が返ってくるかは別問題。それでも良いですか?」と。私の返事は「お金の問題ではなく、決着をつけたい想いなのです」と告げると「それなら!」と受けていただけることに。

感謝しかありません。

これから詳述していきますが、民事で勝訴してもお金なんて全然取り戻せないのです。